なぜ乾燥肌になってしまうのか?
本来、お肌の角質層には、水分を保持したり、アレルゲンや紫外線からお肌を守る機能が備わっています。そのため、正しいスキンケアをして角質層が健全であれば、それほど乾燥に悩まされることはないはずなのです。
それではなぜ、乾燥肌の人は保湿能力が低下したのでしょうか?
お肌の水分を保持する三大要素
乾燥肌の原因をご説明する前に、まずはお肌が水分を保持する三大要素を再確認しましょう。
(1)皮脂膜
- 保湿貢献度:約2%
- 成分/生成方法:毛穴から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗がまざってできた”天然”のクリーム
- 役割:角質がはがれるのを防いだり、お肌の水分が蒸発するのを防ぎます。お肌の滑らかさを保つのも皮脂の役割です。
皮脂はお肌を正常に保つのに大変重要な役割を果たしていますが、お肌の水分保持に対する貢献度は約2%程度と低く、98%は角質層の細胞間脂質とNMF(天然保湿因子)が担っています。
(2)NMF(天然保湿因子)
- 保湿貢献度:約18%程度
- 成分:アミノ酸、PCA(ピロリドンカルボン酸)、ミネラル、尿素などによって構成されています。
- 生成方法:角質層の下にある顆粒層の細胞内のタンパク質が角質層に押し上げられていく過程でNMFへと変化して生成されます。
- 役割:水分を吸着して角質層に保持し、お肌の柔軟性と弾力性を保ちます。
お肌の水分保持力の約18%を担うのがNMF(天然保湿因子)。
NMF(細胞間脂質)のバランスが崩れると、乾燥するだけではなく、角質層の下の顆粒層が健康に育たず、ターンオーバーそのものに影響を与えてしまうといわれています。
(3)細胞間脂質(セラミドなど)
- 保湿貢献度:約80%
- 成分/生成方法:胞間脂質の約40%を占めるセラミドをはじめ、遊離脂肪酸、コレステロールなどからできています。
- 生成方法:生きている角質細胞は、細胞内にセラミドが存在しますが、ターンオーバーで細胞が押し上げられて肌の最も表面にある角質層に到達した時に、細胞は核がなくなり死んでしまいます。その時に細胞内のセラミドが角質層内の細胞間脂質に放出され、セラミドが細胞間に存在するようになります。
- 役割:角質細胞同士の隙間を埋め、外部からの刺激の侵入や、体内の水分の過剰な蒸散を防ぎます。
保湿要素の約80%を占める細胞間脂質は、お肌の水分を保持する点で最も重要な要素となります。
お肌には保湿能力があるのに、なぜ乾燥肌になる?
上述のよう細胞間脂質、NMF(天然保湿因子、皮脂膜の働きを低下させる主な原因は以下の通りです。
(1)間違ったスキンケア
私たちは多くの化粧品と美容情報に囲まれ、日々せっせとスキンケアをしています。しかし、そのスキンケアが間違っていると、自らお肌の保湿能力を弱め、乾燥肌に陥ってしまっています。
皮膚科を受診する人のほとんどは、皮膚疾患などが原因ではなく、スキンケアが間違っていることによって乾燥肌になっているそうです。
『乾燥肌の原因(1)間違ったスキンケア』では、乾燥肌を発生させる間違ったスキンケアについて詳しく解説しています。
(2)食事・食生活
近年は、極端なダイエットや偏食、ファストフードの多用、欧米型食生活の浸透などにより、10代でもお肌の乾燥に悩む人が増えています。
『乾燥肌の原因(2)食事・食生活』では、どのような食事や食生活が乾燥肌の原因になるのかについて解説しています。
(3)生活習慣
睡眠不足、エアコン、ストレス、入浴など、私たちの日常生活には、角質層の保湿機能を低下させる要因がたくさん潜んでいます。
『乾燥肌の原因(3)生活習慣』では、乾燥肌の原因となる生活習慣や日常生活について、詳しく解説しています。
皮膚疾患による乾燥肌はクリニックへ
多くの方は、これらの原因を解決することで健全なお肌を取り戻すことができるでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患は自己流の対処法では悪化させてしまうリスクがあるため、皮膚疾患の心配があれば、早急に皮膚科を受診するようにしましょう。
乾燥肌の改善に向けて、水分保持機能を持つセラミドやヒアルロン酸の生成メカニズムについて知りたい方は、「セラミドの皮膚内での役割」や「ヒアルロン酸の皮膚内での働きと生成のメカニズム」をご覧ください。
また、乾燥肌用の化粧水選びのポイントや必要な成分について知りたい方は、「乾燥肌の化粧品選び(3)化粧水」をご覧ください。
また、乾燥肌用の化粧水選びのポイントや必要な成分について知りたい方は、「乾燥肌の化粧品選び(3)化粧水」をご覧ください。
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