お肌のバリア機能とセラミド
お肌が乾燥するかどうかは、ひとつには角質層が健全であるかどうかが重要な要因となっています。
皮膚の外側は皮脂によって覆われており、角質層には、角質細胞間脂質と天然保湿因子があります。皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質、この3つの要素がお肌の乾燥を防ぐために最も大切な3大要素なのですが、中でも角質細胞間脂質はお肌のバリアを形成するために非常に重要な役割を果たしています。
角質細胞間脂質は、セラミド、コレステロール、脂肪酸などの脂質で構成されています。このうち約50%はセラミドが占め、最も重要な成分として注目を集めています。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方の角質層ではセラミドが減少しており、バリア機能が低下していることがわかっています。このセラミドは洗顔や摩擦などでも失われていくため、できるだけセラミドを失わないスキンケアと化粧品によるセラミドの補給が効果的です。
化粧品成分のセラミド
化粧品に用いられているセラミドには大きく分けて3つのタイプがあります。ひとつめは、ヒト型セラミドで活性型などと呼ばれることもあります。これは酵母による発酵技術によって生産されたスフィンゴ脂質と植物由来の脂肪酸を化学的に結合させたものです。
セラミドは生物の種によって少しずつ構造が異なりますが、ヒト型セラミドはヒトの皮膚の角質層にあるセラミドと全く同じ構造のものです。セラミド1、セラミド3などと表示されています。
2つめは、天然のセラミドで、馬などの動物や米やトウモロコシなどの植物からとられる糖セラミド(セラミドに糖が結合した構造)です。
3つめは疑似セラミドと呼ばれるものです。ヒト型のセラミドは大変高価なため、少しでも安価にできないかということでセラミドによく似た構造の化合物を化学的に合成してつくったものです。
いずれも保湿効果やアトピーの改善効果などが報告されていて、有用な成分であることは確かですが、どれが一番優れているのかははっきりと調べられているわけではありません。しかし私は個人的にはヒト型のセラミドが本来私たちの皮膚の中にあるセラミドと同じ形なので最も自然で親和性が高いのではないかと思っています。
また植物性セラミド(糖セラミド)は皮膚におけるセラミドの合成を促進するというデータも報告されています。
最も大切なのは、セラミド単体では保湿バリア機能は十分に発揮されないということです。セラミドとコレステロール、脂肪酸が同時に配合されていて、ラメラ構造という層状の構造であることが重要です。
セラミドは角質層に留まることで効果を発揮するものですから、ナノ化して浸透性を高めたものはあまり意味がありません。
食べても効果的!?
植物性セラミド(植物由来の糖セラミド)は食品にも利用されています。植物性セラミドを摂取すると、皮膚のセラミド合成を促進し、皮膚のバリア機能を改善する働きがあるそうです。
それだけではなく、真皮のコラーゲンの産生を促進したり、大腸がんの予防に役立つという報告があります。
健康で乾燥知らずのお肌になるためには、外側からも内側からも「セラミド」が効果的なんですね。
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