意外と多い?肝斑に悩む女性
肝斑は30代から40代くらいの女性の顔に主に生じる色素沈着です。様々な治療法がありますが、ケミカルピーリング、レーザートーニング、光治療、トレチノイン・ハイドロキノン療法とトラネキサム酸の内服が、美容皮膚科におけるメインの治療法で、どれも効かないことはないのですが、ある程度時間がかかり、また一時的な副作用を我慢しなくてはいけないものもあります。
それでも肝斑があるために毎日鏡を見るのもいやだと感じる女性もいます。頬に茶色い色素斑があると、なんとなくメイクもしづらく。どの治療法も時間はかかるのですが、効果はありますのでご自分のライフスタイルにあった治療法で取り組んでいただくと良いと思います。
2013年の論文(review論文)で効果が高い治療法
過去の80本の文献をまとめた2013年の論文(review論文)で、解析の結果、肝斑に最も効果が高いとされているのがトレチノイン・ハイドロキノン・フルオシノロンの3剤併用だったとのことです。日本の美容皮膚科ではフルオシノロン(ステロイド)を使用することは少ないですし、私自身も使用しませんがトレチノイン・ハイドロキノンを使用していただいた患者様は確かに肝斑がよく改善します。
トレチノインというのはビタミンA誘導体で、お肌のターンオーバーを早め、ついてしまった色素を追い出す作用があります。長期使用ではコラーゲンが増生し、小じわの改善まで期待できる良いお薬ですが、少なくとも一時的にはお肌に赤みを生じターンオーバーの促進により表面がカサカサしてきます。この時期はお化粧も乗りづらく、ヒリヒリ感が出ることもありますが、使用し続けていると徐々にこのような症状はおさまってきます。
ハイドロキノンはメラニンの合成酵素阻害薬で、強力な美白効果を発揮します。
ハイドロキノンはメラニンの合成酵素阻害薬で、強力な美白効果を発揮します。
トレチノイン・ハイドロキノン療法が最も効果が高いとはいえ、ヒリヒリカサカサの時期を乗り越えるまでに挫折してしまう人もいらっしゃいます。
お仕事上、赤い顔をしていては困るという方は、レーザートーニングが適しています。レーザートーニングとは、QスイッチNdヤグレーザーを弱い出力設定で約2週間に一度のペースで肝斑部に照射していく治療法です。肝斑に強いレーザーを照射してしまうと、肝斑の色調が濃くなり増悪することがわかっていますが、レーザートーニングではそのようなリスクが少なく、安全に肝斑を治療していくことができます。
また、トレチノイン・ハイドロキノン療法のような強い副作用はなく、直後から普段通りにメイクをすることができますので日常生活への影響がほとんどありません。お肌がすべすべになり、肌質の若返り効果もあるので患者さんの満足度の高い治療法です。
いずれにしてもトラネキサム酸の内服を併用していただくと効果が上がりやすくなります。トラネキサム酸はメラノサイト(メラニンを作る細胞)の活性化を妨げ、メラニンの生成を抑えます。あわせてビタミンCの内服もしていただくとさらにメラニンの産生量が抑えられ、効果が上がりやすいでしょう。
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