開花・開葉に必要な栄養素
白樺樹液が北海道で採取ができるのは、まだ雪が深く残る3月下旬から4月下旬までのたった4週間だけ。その正体は、白樺が春先に一斉に開花・開葉するのに必要な養分を、地中からせっせと選別して吸い上げ、枝先に送っているのです。
樹液の採取は、地面から１メートルほどの高さに、直径2センチほどの穴をあけ、雪に沈めた容器に管をつないで行います。大きな樹では1シーズンに150リットルも採取できます。自然に負荷をかけることなく、樹木の成長にも影響を与えず、樹液の一部をおすそ分けしてもらうだけです。
伝承される樹液の効用
樹液は生物の細胞に共通する有用な成分を多く含んでいます。人体に必要な微量ミネラルやアミノ酸は種類が豊富で、バランスよく含んでいることが特徴です。
また、さまざまな薬効が言い伝えられ、民間療法では、利尿作用、便秘、胃腸病、痛風、リウマチ、関節炎、浮腫、腫れ物、へんとう腺炎、湿疹、壊血病、などに効果があるとされてきました。
全身的な身体状況の改善や病気になりにくい体をつくるのです。またストレス耐性を強め、耐疲労性にすぐれ、病後の体力回復に役立つことがわかっています。
その味は、無色無臭でクセがなく、水のようにさらさらしています。口に含むと、まろやかで、かすかな甘味があります。その成分は、赤ちゃんがお腹にいるときの羊水に近いとされています。
腐敗を防ぐ加工技術の確立
白樺樹液は採取時期が短いのと、保存がきかないため、ほとんど遠くへ流通することがありませんでした。滋養分が空気に触れると変質しやすく、数日で発酵して白獨してしまうためです。
ところが近年、加熱殺菌して不純物を濾過し、真空状態でボトリングする加工技術が確立したことにより、遠隔地でも飲料として、また化粧品の原料として利用されるようになりました。開栓しなければ2、3年は十分に保存が可能です。
樹液による美容効果
白樺樹液は、美容にかかわる有用な成分を多く含んでいます。また便通をよくしたり、腸内環境を整えたりする作用をもっています。
便秘は美容の大敵ですが、腸内に宿便が滞ると、有害な細菌の繁殖やガスを発生させて、健康に害をもたらすだけでなく、余分な体重を増やし、肌荒れや、ニキビ、吹き出物の原因にもなります。
樹液の飲用で腸内環境が改善すれば、まず肌がきれいになり、お化粧の乗りをよくします。
また、白樺樹液は、肌がもっとも必要とする弱酸性のアミノ酸の保湿成分を有しており、“飲む化粧水”ともいえます。長期飲用すればシミやくすみを消したり、美肌づくりに寄与します。その保湿成分や美肌効果に着目して、大手メーカーから白樺樹液入りの高級美容クリームも売りだされています。
沒有留言:
張貼留言