お肌が乾燥すると何が起こる?
お肌が乾燥すると、炎症を知らせる情報伝達物質が肌表面の角質細胞に受け渡されます。そうすると活性酸素が発生して、角質細胞が酸化してしまいます。
つまり、角質細胞が錆びてしまうのです。錆びた角質細胞は水分をキープする力が低下してさらに乾燥します。これを繰り返すことで、お肌は乾燥の悪循環にはまってしまうのです。
前回のコラムでお話ししましたが、肌表面の角質層は角質細胞が水分をたっぷり抱きかかえるスポンジのような役割をし、その細胞同士の隙間を細胞間脂質という油分が埋めつくし、それによってお肌の中の水分を外に逃がさず、なおかつ外からアレルギー物質やウィルスなどの異物が肌に入らない用にブロックするラップフィルムのようなバリア機能の役割を果たしています。
乾燥の悪循環にはまってしまうと、角質細胞が錆びると変色し肌を黄色くくすませます。さらに、バリア機能が低下して危機感を感じた肌は、バリアを強化しようと角質層を分厚くします。角質細胞は灰色をしているため分厚くなると肌は透明感を失い、感触もゴワゴワと固くなってしまいます。
保湿成分は2種類
保湿成分にはヒューメクタントとエモリエントという2種類があります。まずヒューメクタントですが、これは水分を抱きかかえる特徴を持つ保湿成分です。
先ほど「角質細胞は水分を抱きかかえるスポンジ」と言いましたが、乾燥進んだ角質細胞はその力が低下しています。この状態に化粧水で水分を補給したところで、ザルに水をかけているようなもので、すぐに蒸発してなくなってしまいます。
そのため、保湿のファーストステップはヒューメクタントで水分を抱きかかえる成分を与えます。
次にスポンジに含まれた水分が外に逃げないようにするフタの役割をするのがエモリエントです。一般的にエモリエントはお肌をしっとりさせる効果が高く即効性を感じるため、エモリエントの比率が高くヒューメクタントがおろそかになっている方が多いようです。
このヒューメクタントとエモリエントのバランスがとれて始めてきちんと保湿されたことになるのです。
●ヒューメクタントの代表成分
尿素、ヒアルロン酸、コラーゲン、PCA-Na、グリセリン
●エモリエントの代表成分
ワセリン、スクワラン、ラノリン、セラミド
※エモリエントは一般的に油分ですが、最近ではポリクオタニウム-51のような肌の表面に保湿保護膜をつくる水溶性高分子も注目されていて、油分にはない保湿効果を得られることがあります。
尿素、ヒアルロン酸、コラーゲン、PCA-Na、グリセリン
●エモリエントの代表成分
ワセリン、スクワラン、ラノリン、セラミド
※エモリエントは一般的に油分ですが、最近ではポリクオタニウム-51のような肌の表面に保湿保護膜をつくる水溶性高分子も注目されていて、油分にはない保湿効果を得られることがあります。
体全体で乾燥肌ケア
保湿ケアは大切ですが、残念ながら化粧品での保湿は万能ではありません。お肌に本来備わる保湿機能は化粧品とは比べ物にならないほど優秀なのです。実際に保湿ケアなどほとんどせずにも健やかな肌をキープしている人もたくさんいます。
保湿ケアと併せて、その本来の保湿機能を壊さずに高めることを考えて欲しいと思います。今までこのコラムでお伝えしてきたことですが、お肌を弱酸性に保ってバリア機能を高めること。食事によって細胞間脂質(エモリエント)の原料となる栄養素ととること。洗い過ぎて細胞間脂質を壊さないこと。さらに良質な汗にはヒューメクタントである尿素がふくまれますので、冬でも適度な汗をかくことを習慣にすること。
そして、できるだけストレスを溜めず、規則正しい生活を送ること。保湿ケアをしっかりしても乾燥肌がなかなか解消されない方は、体全体で乾燥肌のケアを心がけてください。
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