乾燥肌に対して、皮膚科ではどのような治療が行われているのでしょうか。この記事では、実際に行われている治療方法について解説します。
乾燥肌の皮膚科治療(1)スキンケアアドバイス
高齢者やアトピー性皮膚炎などの疾患がある方でなければ、朝晩に正しいスキンケアをしていれば、ひどい乾燥に悩まされるようなことはありません。
そのため、乾燥肌で皮膚科に来院する人の多くは、間違ったスキンケアによって乾燥肌になっているケースが多く、具体的な治療を行うケースは少ないそうです。
治療の必要がない患者さんに対し、ドクターはスキンケアや乾燥肌改善のためのアドバイスをしてくれます。
乾燥肌を自己流にケアしても一向に良くならないようであれば、皮膚科を受診し、ドクターに相談することをおすすめします。
乾燥肌の人が知っておくべき化粧水選びのポイントや必要な成分について知りたい方は、「乾燥肌の化粧品選び(3)化粧水」をご覧ください。特に、保湿効果があるとされているセラミドについて詳しく知りたい方は、「セラミド配合化粧水の正しい選び方・使い方」や「セラミド配合美容液の正しい選び方・使い方」をご参照ください。
乾燥肌の皮膚科治療(2)外用薬としての保湿剤の処方
皮脂欠乏性皮膚炎(乾皮症)など、皮膚疾患を発症している場合、皮膚科では以下のような外用薬を保湿剤として処方しています。
ヒルドイド
- 主成分:ヘパリン類似物質
- 保湿力:お肌に塗った後2~24時間保湿力を維持
- 働き:角質層に浸透し、水分を抱え込むことで保湿。角質層のNMF(天然保湿因子)のような役割を果たす。
- お肌への刺激:低刺激で赤ちゃんからお年寄りまで使用可能
白色ワセリン
- 主成分:白色ワセリン
- 保湿力:お肌に塗った後2~24時間保湿力を維持
- 働き:角質層には浸透せず、表面に留まって角質層の水分蒸発を防ぐ。また、外的刺激から皮膚を保護するという働き皮脂膜のような役割をする。
- お肌への刺激:刺激がほぼなく、傷口に塗ることも可能。
ケラチナミン(尿素)
- 主成分:尿素
- 保湿力:お肌に塗った後2~24時間保湿力を維持
- 働き:角質の水分保持量を増加させたり、角質の溶解剥離により角化した皮膚を取り除く
- お肌への刺激:尿素の量が高いと刺激が強くなる傾向にあり、基本的に顔には処方されない。
乾燥肌の皮膚科治療(3)内服薬の処方
基本的には、乾燥肌に対して内服薬が処方されることはありませんが、肌荒れやニキビが伴っている場合はビタミンB2やB6が処方されることがあります。
- ビタミンB2:「お肌のビタミン」とも呼ばれ、皮膚や粘膜を正常に保つ働きをします。
- ビタミンB6:たんぱく質の分解・合成を助け、皮膚や粘膜の健康を維持します。
その他、アトピー性皮膚炎など、皮膚の乾燥を伴う難治性の皮膚炎の治療には、亜鉛やビオチンが処方されることがあります。
正しいスキンケアをしても軽減しない場合にはドクターの指示を仰ごう
正しいスキンケアを行っていても乾燥がひどい場合は、アトピー性皮膚炎など、別のことが原因の可能性があります。
その場合、自己流のケアでは対応ができないことがありますので、早めに皮膚科を受診し、ドクターに相談するようにしましょう。
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