頭皮を分厚くしましょう
どんなに発毛させる力のある薬効成分が見つかったとしても、また、まだ医療技術としては確立していませんが理論的には可能性の高い発毛治療法である「毛包幹細胞の培養」もしくは「毛包幹細胞を活性させる成長因子」を頭皮に注入するような医療を受けたとしても、肝心の頭皮が薄ければ毛根(頭皮の下に隠れている毛髪組織。毛乳頭、毛根鞘、皮脂腺等)の育つスペースが狭く、そのために毛を育てる毛乳頭を含む毛球部も、毛をしっかりと支える毛根鞘も育ちません。
毛球が小さいと、毛母細胞が働く場所も小さいということです。毛母細胞は毛の幹細胞である毛包幹細胞が分化して生まれます。いくら毛包幹細胞が毛母細胞に分化する能力が高くても、あるいは毛包幹細胞の培養に成功し、たくさんの毛包幹細胞を頭皮に注入したとしても、毛母細胞が働くスペース(毛球)が小さければ、毛包幹細胞も毛母細胞に分化せず毛以外の細胞に分化してしまう可能性が出てきます。
頭皮はどのようにして分厚くするのか？
大きく元気な毛乳頭にするには、頭皮を分厚くすることです。ヘアサイクルでいう成長期の毛乳頭は皮下組織(皮下脂肪部分)にあり、皮下組織を通る毛細血管から酸素や栄養を受け取っています。その皮下組織を厚くすることで元気な大きな毛乳頭になります。
頭皮を分厚くするには、毎朝晩の頭皮マッサージが効果的です。また生活習慣の見直し、相性の合う育毛ローションやシャンプーの使用、そしてストレス排除…等の複合対策により、頭皮が柔らかくなります。柔らかい頭皮は、皮下組織が厚くなっていると推察できます。
マッサージで血流が改善し、多くの酸素や栄養が皮下組織や真皮、毛乳頭に供給され、脂肪細胞や真皮細胞、毛乳頭細胞は元気になり、活発に細胞分裂し数を増やします。脂肪細胞は大きくもなります。その結果、頭皮が厚くなり毛根が大きくなるスペースが生まれます。
頭皮を厚くするために、のんびり継続することがポイント
ヘアサイクルは、男性で3～5年、女性で4～6年です。ヘアサイクルが短いほど薄毛になります。
ヘアサイクルが3年の人の場合、1年で33％が生え変わっているように思われますが、実際は3年しか成長する期間がありません。一方で休止期から成長期への移行に時間がかかり、多くの毛根が退行期・休止期のままとなります。その結果、薄毛になります。
そこでマッサージや生活習慣の見直し、育毛剤での発毛成分の頭皮投入、ストレスの排除により、長い休止期にある毛を成長期に移行する努力をするのですが、それでも一斉に休止期にある毛根が成長期に移行することはありません。せいぜい現状より1割からよくて5割が改善する程度と思っていた方が良いでしょう。
普通、休止期にある毛根は全体の15％と言われています。薄毛の人の場合、休止期にある毛根が2割とか5割となっています。
もし毛根の3割が休止期にある人が、運良く1年で5割改善した場合でも頭部の毛根全体でいうと1年で15％（＝3割×5割）が改善しただけです。まして3カ月で見た場合、全毛根の4％程(＝15％×3カ月÷12カ月)が改善しているに過ぎません。薄毛対策は、3カ月程度では判断できないことがお解かりいただけたでしょうか？
成功する薄毛対策とは、ヘアサイクルを理解し2、3カ月の成果にストレスを持たず、それよりも頭皮を厚くするつもりで、のんびりと1年から2年継続することです。
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