ヒートショックプロテインという魔法_HSP9.~HSP11._美的

ヒートショックプロテインという魔法_HSP9.~HSP11._美的

HSP9.大きなストレスには予備加温でレスキュー

「いくらHSPが万能といっても、細胞があまりに大きなストレスを受けた場合、レスキュー隊としてのHSPが足りなくなってしまうことがあります。そんな事態に備え、前もって加温してHSPを増やしておけば、細胞も準備万端。ストレスを受ける前から〝HSPレスキュー隊〟が待ち構えているのですから、傷害は軽減され、修復も早くなります。予備加温という小さなストレスで、大きなストレスに耐える力を備えるというわけです」（伊藤先生）

HSP10.ＨＳＰを確実に増加させる最強のマイルド加温法

ＨＳＰを確実に増加させる、最強のマイルド加温法をご紹介。といっても、お風呂に入って保温するだけだから、誰でもすぐに実践できます!

水分をたっぷりとって脱水症を予防「HSP入浴法では汗を大量にかくため、入浴前後の水分補給が必須です。トータルで約500㎖の量が目安。水分は常温かぬるま湯で！」（伊藤先生）		体温が38℃になるのを目指して「なるべく湯温が下がらないように、お風呂の蓋を首元まで閉めて入浴します。湯温計で測りながら、冷めてきたら調整。体温計も入浴中に測れるように、防水＆舌下用を用意しましょう」（伊藤先生）		バスタオルなどで全身をくるみ10〜15分「入浴後、素早く汗を拭いてＴシャツ、靴下を着用し、バスタオルや毛布などにくるまります。体温を下げないように、そのまま10〜15分保温。その後は、汗を吸い込んだＴシャツは着替えましょう」（伊藤先生）

HSP11.体温が38℃まで上がれば、ＨＳＰが増加開始!

ＨＳＰを増やす目的での加温は、一般的な“体を温める”健康法より単純明快。ここで加える熱は、ＨＳＰが増える温度であることが基本です。
「ＨＳＰ増加の要因はストレスなので、細胞が“熱い”とストレスを感じる温度を加えないと意味がありません。ただし細胞が死んでしまうほどの高温はＮＧ。40〜42℃くらいが適温です。この数値は正にお風呂の快適温度。日常の入浴時間を利用すれば、簡単にＨＳＰ増量ができるわけです」と伊藤先生。
　伊藤先生の研究室では、湯温と入浴時間をいろいろ変えて、ＨＳＰ量の変化を実験し、結果『ＨＳＰ入浴法』にたどり着きました。
「基本は、42℃の湯に肩まで10分つかるという入り方。これを週２回実践するのが理想ですが、41℃で15分、40℃で20分でもＨＳＰが増加します。自分に合うペースで試してみてください。ただし、体温の低い人や体力のない人は無理をせず、少しずつ湯温や入浴時間を増やしてください」（伊藤先生）
　さらに、入浴中に目標まで体温を上げることも大切。
「ＨＳＰ入浴法では、湯船につかっている間に舌下で体温を測ります。目標は38℃。ＨＳＰを増やせる体温です。ただし、基礎体温が35℃台と低い人が、最初から38℃を目指すのは困難。その場合は、37℃くらいから始めて、徐々に38℃を超せるようにしていきましょう。また、規定の入浴時間の間、つらければ湯船から出て、入り直してもＯＫ。あくまでも自分の体調と相談しながら行ってください」（伊藤先生）