2015年12月30日 星期三

化粧品とは その2_生活と科学社

化粧品とは その2_生活と科学社

医薬品と化粧品のボーダーライン
どうして越えてはいけないの?

医薬品は、病気やケガを治療したり、予防・診断したりするため「一時的に」使うもの。その目的のためにはある程度の量を使わねばならず、時には苦しい副作用が出ることもあります。でも、それは病気やケガという大きなトラブルを解消するためには仕方ありません。そして症状が消えたら、医薬品の使用はストップします。医薬品の「効果」は健康な身体のはたらきを乱すものだからです
それに対して化粧品は、健康な身体を清潔に保つ・美しく装うなどのため「日常的に」使うものです。そのようなアイテムに医薬品のような効果があったり、そのせいで副作用がしょっちゅう出たりすると困ってしまいますね。化粧品に劇的効果のある成分を配合できないのはこれが一番大きな理由です。また、肌トラブル時に化粧品を控えたほうがよいのも、「健康な身体に」使うのが前提だから。健康なときには平気な成分が、そうでないときには刺激になるかもしれないからです。
化粧品には劇的な効果が許されていないので、そのような宣伝も当然アウト。「シミ・シワを消す」「ニキビが治る」「アトピーに効く」などの宣伝をするとそれは誇大広告となり薬事法違反に問われます。これは薬用化粧品と呼ばれる医薬部外品であっても同じです。
では、薬事法で許されている化粧品の効果効能はどこまでで、宣伝にはどんな表現を使えばよいのでしょう。それを、ページ下部に「化粧品の効果効能の範囲」としてまとめました。かなり厳しく制限されていることが分かりますね。ただ、意味が同じなら少しくらいは違う言い回しが認められることもあり、実際にはある程度弾力的に運用されているようです。
また、薬事法自体も時代の流れとともに少しずつ変わっています。たとえば、ビタミン剤やキズ消毒剤。昔は医薬品でしたが、今は医薬部外品のひとつ「新指定医薬部外品」となっています。コエンザイムQ10(ユビキノン)も今では化粧品の成分として人気ですが、元々は医薬品のみに許された成分でした。

医薬品じゃなくてもあなどれない
化粧品の効果の可能性とは

化粧品には「ポジティブリスト注1)」と「ネガティブリスト」という規制もあります。これも薬事法と同じく厚生労働省によって定められました。ネガティブリストは化粧品に使えない成分のリストで、ポジティブリストは配合量や用途が限られている成分のリスト(防腐剤紫外線吸収剤タール色素など)。たとえば防腐剤のパラベン(パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩)では、100g中の最大配合量(g)が合計量で1.0gとされており、それを越えることは許されていません。
このように、化粧品にはさまざまな規制がかけられています。身体に悪影響があるような成分が規制されるのは歓迎ですが、あまりに制限が厳しいのもなんだか...。お肌に効果がありそうな成分まで閉め出してしまわないでしょうか。
でも、その点についてはご心配なく。上記ネガティブリストに含まれず、ポジティブリストでも制限を受けていない成分なら、企業がその安全性を十分に確認した上で自由に化粧品へ配合できます(一部例外あり(注2))。昔はそうではなかったのですが、2001年(平成13年)に薬事法が改正されてこうなりました。そして、これら自由に使える成分の中にはお肌の改善に役立つものがたくさんあるんです。
さらに、医薬品用の成分でも制限つきで使えるものがあります。それは「承認化粧品成分」。2001年4月1日の薬事法改正以前から化粧品に使うことを許されていた成分です。
医薬品の成分でも上限付きなら使えるものもある。それ以外の成分にも効果が見込めるかもしれない(そのように宣伝はできませんが)。化粧品もそんなに捨てたものではなさそうですね。
また、近年は化粧品のセラピー効果も広く認識されるようになってきました。化粧品でキレイになると気分が明るくなる。すると免疫力もあがり、身体機能もアップするというケースです。これは化粧品そのものではなく、化粧品で「キレイになる」ことが身体によい効果をもたらしたといえます。

自分にぴったりの化粧品を選びたい
そのために気をつけることとは?

シミやシワ、ニキビや肌荒れに効果あり! な化粧品があると嬉しいけど、どうやらそれはNGのよう。であれば「治る!」などの誇大広告をする製品は使いたくない。でも薬事法の定めた効果効能の一覧と表現が違うからといって、すぐに誇大広告と決めつけることもできない。
それに、医薬品の成分以外にもお肌によいものがあるかもしれない。そういう成分入りの化粧品はお肌に効く可能性がある。ただ、実際にそうであっても宣伝はできないからぱっと見では分からない。
注1 タール色素は「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」に記載されているものが化粧品に使用できる。
注2 化審法によって定められている「第一種特定化学物質」「第二種特定化学物質」などは化粧品に配合できない。

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