2015年8月31日 星期一

リンス選びで気をつけるべきは、シリコンではなく●●だった!_スキンケア大学

リンス選びで気をつけるべきは、シリコンではなく●●だった!


トリートメントの主成分はシリコンじゃなかった!

「もちろん、シリコンです。」とお答えしたいところですが、実はシリコンではありません。
正解は、“四級アンモニウム塩”と呼ばれるコーティング成分です。四級アンモニウム塩は成分の総称で、代表的な成分名を例にあげると「ステアルトリモニウムクロリド」や「ベヘントリモニウムクロリド」、「セトリモニウムクロリド」です。
市販されている大半のトリートメントに、何らかの四級アンモニウム塩の成分が配合されています。配合されていない商品を見つける方が難しいと思います。
一般的にコーティング剤として使われる、この四級アンモニウム塩は、実は皮膚への刺激や生分解性の悪さが懸念されている成分なのです。吸着して肌に残りやすい特徴があるため、頭皮に付着すると肌刺激となり、肌荒れを引き起こすことがあります。
肌の弱い方は避けた方がよい成分ですし、肌トラブルがない方でも、肌に付着しないようにするなどして使用した方がよいかもしれません。

ナチュラルコスメでも配合されている?!

「そんなに懸念される成分なら、ナチュラルコスメでは配合されていないだろうし大丈夫。」と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、この成分には天然由来原料も含まれているため、実は天然系と呼ばれるトリートメント類にも配合されている場合があります。
よほど頭皮への配慮がされた商品でない限り、この四級アンモニウム塩が配合されていると思っていいでしょう。

2015年8月27日 星期四

これからの季節に知っておくべき日焼け止めの選び方_スキンケア大学

これからの季節に知っておくべき日焼け止めの選び方

関心が高まる紫外線A波

PAはUVAによって皮膚が黒くなるのを防ぐ性能を表した指標です。
UVAに対しても、SPFと同様に試験によってUVAPFという数値が計算されます。しかし、UVAの場合は単に皮膚が黒くなるだけでなく、様々な皮膚への影響がありますので、UVAPFの数値を表示するのではなく、UVAPFの値を4段階にわけたランク表示(PA)が採用されています。
従来PAは+~+++の3段階だったのですが、今年から+~++++の4段階に変更されました。それだけUVAに対する関心が高まってきたということでしょう。

紫外線A波の影響は数年後に現れる?

紫外線B波(UVB)に比べると、UVAの季節による変動は小さく、これからの季節でもUVAはさほど弱くならないのです。
また、UVBは雲やガラスでさえぎられるのですが、UVAは雲やガラスも透過してしまいます。家の中にいてもUVAを浴びる危険があることは意外に知られていないのではないでしょうか。
UVAは皮膚を黒くするだけでなく、皮膚の奥深くまで届き、真皮のコラーゲンや線維芽細胞にダメージを与えるので、シワやタルミ、光老化の原因となります。また皮膚のDNAやたんぱく質、細胞膜などにダメージを与え皮膚がんや老化の原因となります。
このようなダメージはすぐに現れるのではなく、ダメージが蓄積されていき、数年後にシワやシミ、タルミなどの老化現象として現れてくるのです。

紫外線A波を防ぐ成分は?

これからの季節は紫外線に対して無防備になりがちですが、しっかりUVA対策をすることが必要です。できればPAは++以上のものを選ぶ方が良いと思います。
比較的お肌にやさしいと言われている紫外線散乱剤の中では、酸化亜鉛がUVAを防ぐ作用があります。酸化チタンはUVBを防ぐ効果が高いのですが、UVAはあまり防ぎません。しかし中には鉄含有酸化チタン一酸化マンガンと混合された酸化チタンなど、UVAの遮蔽性が高まっているものもあります
またケミカルと呼ばれている紫外線吸収剤の中でよく使われているものには、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルやt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどがありますが、一般的に紫外線吸収剤は比較的皮膚に負担が大きいとされています。
敏感肌などでお肌の弱い方の場合には、酸化亜鉛などの紫外線散乱剤でUVA防御効果を高めている製品がおすすめです。
一方、紫外線吸収剤をマイクロカプセルに封入したものは、紫外線吸収剤が直接皮膚に触れないためお肌の弱い方でも使用できる可能性があります。小児や敏感肌の方で使用しても問題がなかったという報告もありますので、もちろん肌に合うかどうかは個人差がありますが、ご興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
これからの季節はぜひPAに着目してみてください。

アレルギーが気になる?加水分解○○とは_スキンケア大学

アレルギーが気になる?加水分解○○とは

加水分解コムギでアレルギーが発症したわけ

加水分解コムギの主成分はコムギのたんぱく質を加水分解したものです。通常アレルギーを起こすアレルゲンとなる物質はたんぱく質です。たんぱく質を加水分解するとアミノ酸とアミノ酸がいくつかつながったペプチドという物質に分解されます。
このアミノ酸やペプチドは通常はアレルギーを起こしません。したがって、十分に加水分解されたコムギたんぱく質であればアレルギーは生じなかったはずなのですが、この石鹸に使用された加水分解コムギは比較的大きな分子のままでアレルギーを起こしやすい大きさになってしまっていたとの説があります。

加水分解○○はすべてアレルギーを起こす可能性があるの?

アレルギーを起こすのは基本的にたんぱく質なので、ヒアルロン酸やデンプン、コーンスターチ、キチン、キトサン、グアーガムなどの多糖類などはアレルギーにはなりません。ですから加水分解ヒアルロン酸や加水分解デンプンなどは心配ありません。しかし、たんぱく質の場合は可能性があります。
たとえば、コラーゲン、シルク、ケラチン、ダイズ(タンパク)、コムギ(タンパク)、ゼラチン、カゼインなどがたんぱく質です。通常は十分に加水分解されているものが使用されますので、アレルギーの心配はほとんどありませんが、どの程度加水分解されたものが使用されているかは消費者の方にはわかりませんので、アレルギー体質の方は気を付けたほうがよいかもしれません。

化粧品のプロが教える!安全な化粧品の見極め方_スキンケア大学

化粧品のプロが教える!安全な化粧品の見極め方

相次ぐ化粧品トラブル

石鹸の小麦由来成分によるアレルギーや美白化粧品の白班問題、レチノールによるかぶれなどなど…。ここ最近で化粧品トラブルが相次ぎ、化粧品開発者の中でも安全性が改めて重要なテーマとして検討されています。
毎日化粧品を使っている皆さんも普段使っているものに不安を感じたり、かと言って別のものを探そうとしても何を基準に選んだら良いか分からず悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

「浸透ブーム」が引きがねに…

化粧品による肌トラブルの症状は、大きく分けて2種類あります。1つは使った直後に赤くかぶれたり湿疹や吹き出物ができたりするもので、これは成分の刺激によるものがほとんどです。この場合、使うのを止めれば症状が改善するものがほとんどで、あまり深刻な被害にはなりません。
もう1つは使った後しばらく経ってから症状が現れてくるもの、もしくは時間が経つにつれて症状が悪化するものです。
原因は成分に対するアレルギー反応であったり、肌の比較的深い部分の細胞に異常が現れることです。これは本当に怖い問題で、1度発症するとなかなか改善しませんし、場合によっては肌のみでなく身体全体の健康被害に及ぶこともあります。ただ、この手のトラブルは成分が肌に浸透するからこそ起こるもので、逆を言えば浸透しなければそこまで深刻な問題になることはほとんどありません。
石鹸の小麦由来成分によるアレルギーや美白化粧品の白班問題もそうですが、最近相次ぐ化粧品トラブルは化粧品の浸透ブームが引き起こしたことなのではないかと思っています。

安全な化粧品の選び方

よく「これが入っていると危険という成分を教えてください」と質問をされます。それが分かれば話しは早いのですが、絶対に危険と断言できる成分は法律で配合が禁止されている、もしくは配合量が制限されていますので残念ながらこの質問にお答えすることはできないのです。
危険とされている以外の成分が不可解なトラブルを起こすからこそ、化粧品の安全性を見極めるのは厄介なものです。
そんななかでも、安全性の高い化粧品を選ぶためのポイントをまとめたいと思います。

1)「有効成分が肌の奥まで届いて・・・」は危険

先ほどお話ししたように、深刻なトラブルは肌に成分が浸透することで起こります。浸透性の高いものの使用はできるだけ控えた方が安全性は高いと言えます。
美白やエイジングケアなどが大きな美容のテーマとなっている今、肌の奥深い部分に浸透させてメラニンの生成やコラーゲンの破壊を抑えることがスキンケア化粧品のトレンドになっています。
しかし、実は肌の表面から出る情報伝達物質をコントロールすることで過剰なメラニンや肌の老化を予防できるといった研究が進んでいて、敢えてリスクの高い「成分を浸透」という方法は、この先減っていくのではないかと思っています。
また、肌の奥深くには毛細血管が通っています。外からの異物の侵入を防ぐのが主な役割である肌を無理矢理通過させることより、美白やエイジングをテーマとする成分は食べ物で摂取し、血管を通して届けた方がよっぽど近道なのではないかと思います。

2)「新成分○○○」は要注意

色々な化粧品に対するニーズに伴って、新しい成分も次々と開発されています。ですが新しい成分は、効果が確かであっても副作用が全て明らかになっているわけではありません。もちろん最低限の安全性の試験はされていますが、それらをクリアしていたとしても白班問題のように予想しないことが起こってしまうこともあるのです。
さらに、最近は動物愛護の観点から動物実験を行うことができません。そのため、メーカーは今まで以上に安全性の確認が難しくなっていることも事実です。魅力的な「新成分」という言葉には特に注意が必要な時代なのだと思います。

3)「植物由来」という言葉で安心しない

前回のコラムでも少しお話ししましたが「植物由来」と聞くと、なぜだか安全なものと思ってしまうものです。ですが、アレルギーという観点で考えれば化学合成のものよりも圧倒的にリスクが高いのです。食べて安全なものが肌につけて安全なものではありません。
化粧品の成分の安全性は植物由来か化学合成かで決まるのではなくて、肌に対する刺激性アレルギー性細胞毒性などの有無で決まることを忘れないでください。

4)「高配合」に誘惑されない

「高級成分○○が高配合」などと聞かされると魅力的に思えてしまいます。ですが、効果の強い成分であればあるほど高配合されれば副作用のリスクは高まります。それは鎮痛剤をたくさん飲めば胃が荒れてしまうのと同じことです。ゆっくりと肌に作用する化粧品を選ぶことが、安全に美容を愉しむために重要なポイントです。

歴史が教えてくれる安全な化粧品を…

僕自身は成分の安全性を示す上で最も確かなことは、歴史なのではないかと思います。つまり「長年トラブルなく化粧品に使われてきた成分」、これほど安全なものはないのではないかと思います。
昔からトラブルも含めて色々な経験を乗り越えてきた日本の化粧品の歴史というのは、私たちにとってかけがえのない資産なのだと思います。そして、そう言った歴史のある成分の素晴らしい美容効果が改めて発見されることもたくさんあります。

「防腐剤無添加」のカラクリとは?_スキンケア大学

「防腐剤無添加」のカラクリとは?

化粧品の防腐剤

化粧品に使用できる防腐剤は決められていて、薬事法に基づいて厚生労働省が定めたリスト(ポジティブリスト)に記載されているものしか使用してはいけません
このリストの中にはパラベン類をはじめとしてフェノキシエタノール安息香酸ヒノキチオールソルビン酸などたくさんの防腐剤が記載されており、配合上限(%)が決められています。
やはり、そのようなリストがあって、上限が決められているということは、少なからずお肌に負担がかかる成分なのであろうと思いますが、その範囲内で使用する場合は一般的には安全です。
しかしながら一部の方にはお肌に合わず刺激を感じたり皮膚炎などの炎症の原因となる場合があります。皆さんもよくご存じのパラベン類は、最もよく使用されている防腐剤のひとつで、広く医薬品や食品でも使用されている最も安全性の高い防腐剤です。
しかし、ごく一部でお肌に合わない方がいて、お肌にトラブルが生じることがあることもよく知られています。そのためパラベンは防腐剤の代表のように言われており、最も嫌われている化粧品成分のひとつとなっています。

防腐剤はなぜ必要?

防腐剤はお肌には全く必要のないものですが、化粧品には必要なものです。
なぜ化粧品には防腐剤が必要なのでしょうか?
防腐剤は化粧品が腐らないようにする働きがあります。化粧品には水や油分などが豊富に入っているので、微生物にとってはご馳走です。防腐剤がなければ腐ってしまい、変質したり、分離したり、変色、においの変化などが起こります。それだけでなく毒素を作り出す微生物もいるので、うっかりお肌につけてしまうと大変なトラブルとなってしまいます。
一般的に化粧品は未開封で3年以上腐らずに使用できなければならないと定められています(※使用期限が記載されているものは例外です)。店舗や倉庫に長期間置いてある場合を考えると5年くらいは腐らないことが必要なのです。そのため、どうしても防腐剤が必要となってきます。

防腐剤無添加のカラクリ

それでも市場には防腐剤無添加という化粧品がたくさんあります。なぜでしょうか?
昔はパッケージを小さくして無菌的に容器詰めすることで菌の汚染を少なくする工夫をしたり、パラベン以外のよく知られていない防腐剤を使ってごまかしていたこともあったようです。
最近は、防腐剤ではないけれど防腐効果をもった成分の使用頻度が高くなってきているようです。例えば、防腐力をもった保湿成分のプロパンジオール、BG(ブチレングリコール)、ペンチレングリコール、1,2ヘキサンジオール、エチルヘキシルグリセリンなどや防腐効果のある界面活性剤などがよく使用されています。
防腐剤に比べると防腐力は弱めなので、配合量が多くなったり、いくつかの種類を併用する必要などがありますが、逆に防腐剤と併用することで防腐剤の使用量を減らすことが可能であったり、お肌への刺激やトラブルを軽減することが可能です。
通信販売などで生産からお客様の手に届くまでの期間が短い場合や、使用期限を設定している場合、エアレスボトルなどを使用して空気に触れる機会が少なく菌の汚染がほとんどない容器の場合などには、これらの防腐効果のある成分を使用することで問題なく防腐剤無添加を実現できます。
パラベンがお肌に合わないという方は、こういった化粧品を探されてはいかがでしょうか。

美肌へ…高麗人参の効果とは?_スキンケア大学

美肌へ…高麗人参の効果とは?

高麗人参の抗炎作用とは

古くから民間療法などでは高麗人参には抗炎作用があり、ニキビ治療などに効果があることが伝わってきました。
実験などによって高麗人参のサポニン成分には皮膚の抗炎症作用が優れているということが確認されているようです。
また、高麗人参にはシワ防止にも効果があると伝えられています。細胞の代謝によって生成される「活性酸素」は皮膚組織などの老化にかかわっています。しかし、高麗人参に含まれる成分が活性酸素と作用することで皮膚組織の老化を抑制できる可能性があると言われています。
そして、美肌に良いとされているヒアルロン酸が減少してしまうのを抑制する効果も期待ができるのです。
ヒアルロン酸は皮膚の深いところの真皮に存在しています。老化することによってヒアルロン酸は減少し、皮膚の弾力や保湿効果などがなくなっていきます。しかし、高麗人参エキスに含まれる成分がヒアルロン酸の減少を抑制し、維持する機能を果たしているようです。それが数多くの化粧品の成分中に高麗人参エキスが添加されている理由なのです。

しっかりとした弾力のある肌に…皮膚が息を吹き返す

高麗人参はよくスタミナ回復をしたいときに、飲んだり食べたりする食品だと思われがちですが、実は美容にもとても効果の高い商品なのです。
荒れた肌や乾燥肌、最近の報告ではアトピーにも効果が期待できるということです。それは高麗人参に多く含まれる「パナギン酸」という保湿機能成分が皮膚の乾燥を防ぎ、肌のしっとり感を保ってくれるからのようです。

美容に効果大のサポニンとは?

高麗人参の有名な有効成分といえばサポニンです。このサポニンは皮膚細胞の再生を促進し、皮膚表面の不要な角質を取り除いて、柔らかくてすべすべの肌に導きます。また、皮膚細胞に十分な栄養と酸素を供給することで、シワや色素沈着を予防し、皮膚が修復するスピードを促進します。
高麗人参が血流を促進する、最高の食品の1つであることはよく知られていると思います。皮膚の美容に血流の良い・悪いは大きく影響があります。
血流が悪いと肌は荒れたり、くすんだりして、顔色が暗く見える原因になります。顔には毛細血管が多いので、血流の悪さが特に目立ちます。皮膚を美しく改善する近道は、血流の改善にあるのです

化粧品に入ってる「合成ポリマー」にまつわる都市伝説_スキンケア大学

化粧品に入ってる「合成ポリマー」にまつわる都市伝説

合成ポリマーとは何?

その中には、多種多様な物質が含まれ、シリコーンオイルやシリコーン樹脂、プラスチックや食品ラップ、ペットボトルのような合成樹脂、ポリエステルやアクリル、ナイロンのような合成繊維、合成ゴムやポリウレタンなども合成ポリマーです。
そして化粧品によく使われるカルボマーなどの水溶性ポリマーも合成ポリマーです。
合成ポリマーはよくウェブサイトや書籍などで悪者にされているようですが、主にこのカルボマーなどの水溶性ポリマーが悪者にされていることが多いようです。

水溶性ポリマーとはどんなもの?

よく合成ポリマーというと、毛穴を詰まらせる、皮膚呼吸を妨げるお肌に付いて落ちない、などのイメージがあると思いますが、これらの性質は一部のシリコーンオイルや合成樹脂など他の合成ポリマーの性質であって、水溶性の合成ポリマーの性質ではありません
水溶性の合成ポリマーにも様々なものがありますが、一般的には天然の高分子(ポリマー)であるヒアルロン酸キサンタンガムゼラチンなどと同じように水に溶けて高い粘度をもち、増粘剤やゲル化剤として用いられます。
その性質は、これらの天然高分子とほとんど同じで、毛穴を詰まらせたり、皮膚呼吸を妨げたり、お肌に貼り付いて落ちないということはありません。
カルボマーなどの水溶性合成ポリマーの多くは、微生物のエサになりません。そのため腐りにくいのですが、防腐効果があるわけではないので、化粧品に水溶性の合成ポリマーが入っているからと言って腐らないわけではありません。また、皮膚の常在菌に悪影響を与えるものでもありません
皮膚に対して毒性や刺激もありませんので、化粧品に入っていても安心してお使いいただける成分です。

水溶性ポリマーは界面活性剤?

水溶性の合成ポリマーが界面活性剤だと思われている方も多いかもしれません。一部の水溶性ポリマーは、油を水の中に分散させ、乳化することができます。そういう意味では乳化剤なのですが、界面活性剤とは乳化するメカニズムが異なります。
合成ポリマーの場合は、高分子の網目構造の中に油滴がからまって分散され、乳化状態が維持されています。一部の界面活性剤のように油分を奪うような働きはありません。乳化作用をもった合成や天然のポリマーを使って、界面活性剤フリーのクリームを作ることも可能です。
また水溶性ポリマーは、その増粘効果によって、乳化を安定化する働きがあります。そのため界面活性剤による乳化物が安定になり、分離しにくくなりますので、水溶性ポリマーを配合すると、化粧品の界面活性剤の使用量を減らすことができます。
界面活性剤を嫌う方には、実は水溶性ポリマーはとてもありがたい存在なのです。

これから注目の抗酸化成分、覚えておきたい4つ_スキンケア大学

これから注目の抗酸化成分、覚えておきたい4つ

老化の一番の原因は紫外線

老化の原因には諸説ありますが、ひとつには活性酸素が原因といわれています。
紫外線によっても活性酸素が発生してお肌を傷付けて老化が進んでしまいますので、活性酸素を除去する抗酸化成分がとても着目されています。

ビタミンC誘導体

ビタミンCは抗酸化力の高い成分でサプリメントなどにもなっているので、皆さんに一番なじみの深い成分だと思います。
ビタミンCそのものはとても不安定で、お肌からの吸収も悪いので、一般的に化粧品に配合されるビタミンCは誘導体化されています。
誘導体化することでビタミンCは安定になり、お肌への吸収が高まります。
これまでも、様々なビタミンC誘導体が化粧品に用いられてきました。
水溶性ビタミンC誘導体(リン酸型)やAPPSとして知られているタイプ、グルコシドタイプ、油溶性タイプ(VCIP)などがありますが、私が注目しているのはVCエチルと呼ばれているタイプです。
通常のビタミンC誘導体は誘導体部分が酵素などの作用で切断されてビタミンCの効力が発揮されるのですが、このVCエチルは誘導体のままビタミンCの効力を発揮できるので、安定なまま効果が持続します。また浸透力が高くイオン導入する必要がないほどといわれています。さらに分子量が他の誘導体に比べて小さいので、配合量が少なくても効果が高いのが特徴です。

アスタキサンチン

アスタキサンチンはすでに多くの製品で使用されているので、ご存知の方は多いと思います。アスタキサンチンは赤い色素で、サケやイクラなどに含まれるカロチノイドの一種です。非常に抗酸化力が高く、ビタミンEの約1000倍といわれています
化粧品に使用されるアスタキサンチンはヘマトコッカスという藻の仲間からとられたアスタキサンチンがよく使用されています。アスタキサンチンには抗酸化力に加え、免疫能を高めたり、抗炎症作用などがあることが知られています。

レスベラトロール

レスベラトロールとは、ブドウに含まれるポリフェノールの一種です。脂肪の多い食事を日常的にしているフランス人の心臓病死亡率が低いのは赤ワインを飲んでいることが関係していると発表されたことは有名です(フレンチパラドックス)が、この主役がレスベラトロールです。
レスベラトロールは、高い抗酸化力だけではなく、長寿に関連のある遺伝子にも作用することが知られていて。

エルゴチオネイン

エルゴチオネインは、まだあまり知られていませんが、キノコ類がつくりだすアミノ酸の仲間です。高い抗酸化力があり、またエラスターゼコラーゲン分解酵素を抑制する働きがあるので、やはり老化に対しての効果が期待される成分です。また美白や抗炎症作用も期待されています

注目のアンチエイジング成分「植物幹細胞」ってなに?_スキンケア大学

注目のアンチエイジング成分「植物幹細胞」ってなに?

お肌の老化に関わっている皮膚の幹細胞

京都大学の山中教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞してから、幹細胞に対する注目度が高まっていますが、しかし化粧品成分では同じ幹細胞でもちょっと変わって、植物の幹細胞が注目されています。
私たちの皮膚の表皮に存在する幹細胞は、いわゆる角化細胞の供給工場のようなもので、衰えて減少した角化細胞を絶えず供給し続けています。しかし、老化して衰えた表皮では、この幹細胞の数も少なくなってしまい、幹細胞の活性も衰えてきます。
その結果、細胞の供給が滞り、正常な表皮の形成が妨げられて、乾燥、肌荒れ、シワ、しみ、たるみ等の肌トラブルが起こりやすく、老化の現象が顕著になってきてしまいます。
したがって、皮膚の幹細胞の活性をいつまでも維持することができれば、お肌はいつまでも生き生きとした若々しさを保つことができると考えられています。

表皮の幹細胞を活性化するリンゴの幹細胞

そんな表皮の幹細胞を活性化する成分として着目を浴びたのが、「4カ月腐らない奇跡のリンゴ」といわれるスイス産のリンゴの1品種「ウトビラー・スパトラウバー」のエキスです。
このリンゴは非常に希少であるため、このリンゴの幹細胞を取り出し、人工培養して大量に得る技術が開発されました。こうして得られたリンゴの細胞からエキスが抽出され、化粧品に利用されるようになりました。
このリンゴの幹細胞エキスは、表皮の幹細胞の増殖能力の維持、紫外線から幹細胞を保護老化遺伝子の抑制抗シワなどの効果があるとして着目を浴びています。

どんどん増えつつある植物幹細胞エキス

腐らないリンゴの幹細胞エキスに始まり、最近では様々な植物の幹細胞エキスが化粧品の成分として登場してきています。
最近希少な植物で人気の高いアルガンツリーの幹細胞エキスは真皮の幹細胞の成長・増殖を助け、活性化するそうです
また紫外線に強いブドウの品種「ガメ・タンテュリエ種」の幹細胞エキスは、紫外線が引き起こす活性酸素などの老化原因因子から皮膚の幹細胞を守るそうです
薬草として創傷治癒などに用いられてきたコンフリーの幹細胞エキス表皮の幹細胞の増殖を活性化し、ターンオーバーを向上させるそうです
その他にも、ライラックやツボクサ、クチナシ、エーデルワイスなど次々と新しい幹細胞エキスが登場してきています。
植物の幹細胞と人間の皮膚の幹細胞とは全く異なるものなので、植物の幹細胞が皮膚の幹細胞の代わりをしてくれるわけではないのですが、様々な植物の幹細胞エキスがそれぞれ様々な働きかけをしてくれますので、今後も目が離せませんね。

保湿スキンケアに一番大切な成分って何?_スキンケア大学

保湿スキンケアに一番大切な成分って何?

お肌のバリア機能とセラミド

お肌が乾燥するかどうかは、ひとつには角質層が健全であるかどうかが重要な要因となっています。
皮膚の外側は皮脂によって覆われており、角質層には、角質細胞間脂質天然保湿因子があります。皮脂天然保湿因子角質細胞間脂質、この3つの要素がお肌の乾燥を防ぐために最も大切な3大要素なのですが、中でも角質細胞間脂質はお肌のバリアを形成するために非常に重要な役割を果たしています。
角質細胞間脂質は、セラミド、コレステロール、脂肪酸などの脂質で構成されています。このうち約50%はセラミドが占め、最も重要な成分として注目を集めています。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方の角質層ではセラミドが減少しており、バリア機能が低下していることがわかっています。このセラミドは洗顔や摩擦などでも失われていくため、できるだけセラミドを失わないスキンケアと化粧品によるセラミドの補給が効果的です。

化粧品成分のセラミド

化粧品に用いられているセラミドには大きく分けて3つのタイプがあります。ひとつめは、ヒト型セラミドで活性型などと呼ばれることもあります。これは酵母による発酵技術によって生産されたスフィンゴ脂質植物由来の脂肪酸を化学的に結合させたものです。
セラミドは生物の種によって少しずつ構造が異なりますが、ヒト型セラミドはヒトの皮膚の角質層にあるセラミドと全く同じ構造のものです。セラミド1、セラミド3などと表示されています。
2つめは、天然のセラミドで、馬などの動物や米やトウモロコシなどの植物からとられる糖セラミドセラミドに糖が結合した構造)です。
3つめは疑似セラミドと呼ばれるものです。ヒト型のセラミドは大変高価なため、少しでも安価にできないかということでセラミドによく似た構造の化合物を化学的に合成してつくったものです。
いずれも保湿効果やアトピーの改善効果などが報告されていて、有用な成分であることは確かですが、どれが一番優れているのかははっきりと調べられているわけではありません。しかし私は個人的にはヒト型のセラミドが本来私たちの皮膚の中にあるセラミドと同じ形なので最も自然で親和性が高いのではないかと思っています。
また植物性セラミド(糖セラミド)は皮膚におけるセラミドの合成を促進するというデータも報告されています。
最も大切なのは、セラミド単体では保湿バリア機能は十分に発揮されないということです。セラミドとコレステロール、脂肪酸が同時に配合されていて、ラメラ構造という層状の構造であることが重要です
セラミドは角質層に留まることで効果を発揮するものですから、ナノ化して浸透性を高めたものはあまり意味がありません。

食べても効果的!?

植物性セラミド(植物由来の糖セラミド)は食品にも利用されています。植物性セラミドを摂取すると、皮膚のセラミド合成を促進し、皮膚のバリア機能を改善する働きがあるそうです
それだけではなく、真皮のコラーゲンの産生を促進したり、大腸がんの予防に役立つという報告があります。
健康で乾燥知らずのお肌になるためには、外側からも内側からも「セラミド」が効果的なんですね。

FUJIFILM_(1)ヒストリー

ヒストリー
key word: ナノ化技術(アスタキサンチン. ヒト型セラミド, リコピン」)

2004>写真フィルム中心の事業に終止符を打ち、第二の創業を宣言。
写真時代に培ったコラーゲンやナノ化技術などさまざまな技術資産を
化粧品事業などの新規事業に展開する。

2007>美容パワーにあふれる赤い成分アスタキサンチン」のナノ化に成功
デリケートな成分を独自のナノ化技術で安定・高濃度配合し、浸透力をアップ。
ナノアスタキサンチンを配合した、赤いスキンケアシリーズ「アスタリフト」がついに誕生。
2007 “ナノアスタキサンチン”開発、アスタリフト誕生!

2010>うるおいの鍵である「セラミド」。
人の肌にあるセラミドと全く同じ型の「ヒト型セラミド」を独自のナノテクノロジーでナノ化することで、肌のすみずみまでうるおいを届けることに成功。

2012>トマトに含まれる注目の抗酸化成分「リコピン」のナノ化に成功
化粧品への配合が難しいとされてきた成分を独自技術で安定配合し、新たにリコピンアスタキサンチンの能力を3倍向上させる機能も発見。

リコピンによりアスタキサンチンの美容パワーが3倍に

セリ科のハーブ植物「センテラアジアチカ」に含まれる、優れた美容成分で知られる「AMA」に着目。
独自のナノユニット技術で「A(アジア酸)」「M(マデカッソ酸)」「A(アジアチコシド)」を従来の500分の1まで極小化し、効率的に配置することに成功。
葉

2014>メラニンは、
「メラノソーム」と呼ばれる袋の中にたまり、その袋に骨組みがあることを発見。
メラニンが過剰に作られるとこの「シミの骨」に大量に沈着し、肌本来の機能では分解しきれなくなることが判明。
この「シミの骨」の分解を促す効果がAMAにあることも発見した。
メラノソームの形態



オールマイティーな効果を持つビタミンC

オールマイティーな効果を持つビタミンC

代表的なものとして抗酸化作用、コラーゲン生成補助、メラニン生成抑制、カルニチン生成維持抗癌作用副腎皮質ホルモンカテコールアミンの生成、調整、金属キレート作用、アミノ酸代謝抗ヒスタミン作用コレステロール代謝関与薬物代謝調整、血糖降下作用などがあります
本当に身体に良い効果がたくさんあるのがビタミンCの特徴です。一般的にはシミの効果で有名ですが、もっと重要な作用がビタミンCはあるのです。特に抗酸化作用や抗癌作用、コラーゲン生成補助が今、注目されています。


これを知れば大丈夫!?ストレスに打ち勝つ食事法
○ビタミンC
ビタミンCは副腎皮質ホルモンの材料となる。ストレスがかかると副腎皮質ホルモンが分泌されて全身の抵抗力を高める働きをする。

ビタミンCをどのように取り込む?

実は、人間はビタミンCを体内で作ることができません。我々の他にサルやモルモット、高等な鳥類も同様にビタミンCを作ることができません。その他の動物はブドウ糖から体内にある酵素を利用して、ビタミンCを作ることができるのです。人間にはこの酵素がなくビタミンCを体内で作ることができないため、摂取しないといけないのです。
では、摂取しないでいるとどうなるか知っていますか?病気で有名なのが壊血病(そもそも、この病気からビタミンCの発見に繋がった)です。血管壁を構成するコラーゲンが上手く作られなくなり、出血しやすくなるのです。コラーゲンが作られにくくなるということはお肌も同じで、たるみやシワができやすくなり、あらゆる肌トラブルが生じるでしょう。
そうならないためには、毎日摂取する必要があるのです。現在日本では、100mg/日が1日必要量として規定されています。あくまでもこれは最低限の量であり、これを下回ると上記のような症状が現れるということになります。
効果、特に薬理効果の出る量となると、もっと多く摂取しなければなりません。健康を維持するなら800mg以上、美容なら1000mg以上、病気のためならそれ以上と言われています。単に健康にと言っても、現代人は環境因子や病気など様々な原因でビタミンCが体内でどんどん使われてしまうので、それ相応の量が必要となります。
しかし残念ながら、摂取したビタミンCがそのまま消化管から全量吸収されることはありません。消化管から吸収される量は、1回の摂取量が多くなると低下していくことが知られています。だから分散して飲むことにメリットがありますが、1回量が少なすぎても効果として実感することは難しくなります。
最近、美容クリニックでは吸収率が格段に高いリポゾームという構造に包まれたビタミンCのサプリメントを販売していますので、ご興味のある方は問い合わせてみてください。吸収され体内に入ったビタミンCは血液を介して各臓器、細胞へ貯蔵されます。すぐに排出されるというイメージが強いのですが、決してそんなことはありません。多くのビタミンCを摂取しているとその貯蔵量も上がるようです。
ちなみに血中の飽和量の上限はあり血中で維持できないものは組織へ移行するか排出されます。私個人としては、ビタミンCは多く摂取するにこしたことはないと思っています。特に夕食~寝る前に多く摂取できると良いかと思っています。それは就寝中にお肌は回復するからです。その時にビタミンCが多くあったほうが回復しやすいと考えているからです。
経口摂取(飲み薬やサプリメント)以外では、医療施設なら点滴や注射という方法があります。点滴、注射は経口摂取するよりももっとダイレクトに、さらに血中濃度を急激に上昇することができる優れた方法です。なんと1回量で約25gを投与できる高濃度ビタミンC点滴もあり、オススメです


2015年8月26日 星期三

オリーブオイルは酸化されやすい?されにくい?_スキンケア大学

オリーブオイルは酸化されやすい?されにくい?

オリーブオイルは酸化されにくいって本当?

とても精製度が高く、純度の高いオリーブオイルでも数カ月すると酸化臭が発生してきます。そのため私はあまり化粧品を作るのにオリーブオイルを好んで使用することはありません。しかし、オリーブオイルは酸化されにくいオイルだという記述をよく見ます。どちらが本当なのでしょうか。

酸化されやすいオイル、酸化されにくいオイル

化粧品では様々な植物オイルが使われており、エモリエント成分として皮膚を柔らかくしたり、皮膚を保護したり、皮脂の代わりに皮膚の表面の水分蒸散を防いで保湿の役割を果たします。
化粧品に用いるオイルは、すべりが良い、伸びが良いなどのテクスチャーに加え、皮脂に近い組成であることも良いオイルであることの条件のひとつかもしれませんが、それだけではなく、酸化されにくいこともとても重要な性質のひとつです。
オイルが酸化されると過酸化脂質という活性酸素の仲間が発生し、老化や皮膚トラブルの原因のひとつとなりますので、できるだけ酸化されにくいオイルを使うことがとても大切です。
オイルが酸化されやすいかどうかは、オイルに含まれる脂質の化学構造によって左右されます。脂質を構成している炭素と炭素の間の結合に二重結合という結合があれば酸化されやすくなります
二重結合を全くもたない脂肪酸は酸化されにくく、飽和脂肪酸と呼ばれています飽和脂肪酸にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などがあります
一方、二重結合をもった脂肪酸は酸化されやすく、不飽和脂肪酸と呼びますオレイン酸やリノール酸、リノレン酸などが不飽和脂肪酸です二重結合をひとつしかもたないオレイン酸はリノール酸やリノレン酸に比べると比較的酸化されにくいと言えます。

食品に用いるオイル

オリーブオイルが酸化されにくいという記述は食品関連のものに多いような気がします。
食品によく用いられるオイルには、オリーブオイルのほかには、大豆、菜種、とうもろこし、ゴマ、綿実、ベニ花、グレープシードなどがあります。
これらのオイルの脂肪酸組成は、ほとんどがリノール酸が主成分です。それに比べてオリーブオイルの脂肪酸組成はほとんどがオレイン酸です。二重結合を2つもったリノール酸を主成分としているオイルは酸化されやすいのですが、オレイン酸を主成分としているオリーブオイルはそれに比べると酸化されにくいというわけで、食品においてはオリーブオイルは酸化されにくいというのは納得です
ちなみにリノール酸などの不飽和脂肪酸は体に必要で、栄養としても飽和脂肪酸よりも食品に適しています。

化粧品に用いるオイル

一方、化粧品によく用いられるオイルはパーム、ヤシ、メドウフォーム、ホホバ、マカデミアナッツ、ヘーゼルナッツ、馬油、シアバターなどがありますが、その多くは酸化されにくい飽和脂肪酸を主成分としています。またオレイン酸を主成分としている場合でも、その他の脂肪酸は飽和脂肪酸が多いものがほとんどです。
つまり、酸化されにくい脂肪酸が主成分となっているオイルが多いため、化粧品に用いられるオイルの中ではオリーブオイルは比較的酸化されやすい部類になってしまうのです。
また、オイルの中にビタミンEのような抗酸化ビタミンが多く含まれている場合も酸化はされにくくなります。
化粧品に用いられるオイルは、食品用のオイルに比べると非常に精製度が高く、純度が高くて不純物が少ないことをご存知ですか?食品用のオリーブオイルは黄色い色をしていますね。ところが化粧品用のオリーブオイルはきれいな透明で、食べてもあまりおいしくありません。
人間の皮膚はとてもデリケートで、免疫センサーの役割も果たしているので、化粧品に用いる成分はできるだけ不純物の少ないものである必要があります。皆さんも食品用のオイルなどを化粧品代わりにお肌に付けるのはできるだけやめましょう。

化粧品開発者がそっと教えるおすすめ植物オイル_スキンケア大学

化粧品開発者がそっと教えるおすすめ植物オイル

私が好んで使用しているおすすめのオイル

私が好んで使用している植物オイルは、スクワランとホホバオイル、シアバター、マカデミアナッツオイル、メドウフォームオイルです。
スクワランは、スクワレンという油を水素添加という加工を行い、酸化安定性を高めたものです。スクワレンはもともと深海サメの肝油から採取されたものが使用されていましたが、最近では植物からも採られたものが主流となりつつあり、オリーブサトウキビから精製されたスクワレンからスクワランが作られています。とても伸びが良く、肌になじみが良くてべたべたしないのでとても使いやすいオイルです。
ホホバオイルは、酸化されにくく、さらっとして油っぽさがなく、とても感触が良いオイルです。皮脂の分泌を抑えると言われていて、ニキビ肌の方にもおすすめできるオイルです。
シアバターは室温では固形ですが、体温で溶けて、溶けると低粘性なのですうっと広がっていきます。とても肌へのなじみが良く保湿感に優れているオイルです。
マカデミアナッツオイルは、脂肪酸組成が皮脂に類似しています。適度な重さがあり、優れた感触があるのでエモリエントオイル、マッサージオイル、クリーム、乳液、ヘアトリートメントなどに重宝しています。
メドウフォームオイルは粘度がやや高くリッチでこしのあるオイルです。なめらかでしっとりとした感触で、浸透感はあまりないので、油性の膜を形成してお肌を保護するエモリエント剤として優れています。

ニキビ肌におすすめのオイル

ニキビ肌の方はできるだけオイルを避けていると思います。皮脂が多くてニキビになりがちな方にはオイルはおすすめしませんが、皮脂は少ないのにお肌の乾燥からニキビになりがちな方には、先にご紹介したホホバオイルローズヒップオイルアルガンオイルなどがおすすめです
ニキビにはリノール酸が良いと言われています。ローズヒップオイルやアルガンオイルにはリノール酸が豊富です。またビタミンEなどのビタミン類も豊富なのでこれらの植物の産地では傷の治療に使われていたりしているようです。
リノール酸などの不飽和脂肪酸は酸化が気になるところですので、これらのオイルの酸化には気を付けてご使用ください。
一方、オレイン酸はニキビや毛穴の開きの原因となるそうです。オレイン酸を多く含むオリーブ油などはニキビの方にはあまりおすすめしません。
また、前回もお話しましたが、食品用のオイルは化粧品用のものに比べると不純物が多いのでデリケートなお肌にはおすすめしません。できるだけ化粧品グレードのものをご使用ください。